年末になるとなにかとまとめ記事を作ってみたくなるものですが、今年は本やマンガを読むよりも映画を観ることの方が多かったので映画について書きたいと思います。
「2019年に観てよかった」というタイトルにした通り、私が2019年に観たものについて書きます。
(2019年公開ということではないので古い映画もあるという意味です)
あと、あらすじ・感想はひと言形式でざっくりとしていきます。
ランキングにはしないので思いつくまま、いきま~~~~す。
- シティハンター THE MOVIE 史上最香のミッション
- アイ・フィール・プリティ
- 怪怪怪怪物!
- パンズ・ラビリンス
- ダンサー・イン・ザ・ダーク
- キャラメル
- 氷海の伝説
- EXIT
- 殺人の追憶
- オアシス
- 国家が破産する日
- フィッシュマンの涙
- かぐや姫の物語
- このほか、
シティハンター THE MOVIE 史上最香のミッション
cityhunter-themovie.com
世代ですからね。
ニュースが出た時点で「観なければ!」と超期待していた作品。
フランス版リョウちゃんについてはまったく不安はなく、実際に観たらリョウちゃんのスタイルの良さ(ラショーさんはこの役のために増量したとか)、漫画ちっくな表情も際だっていて(モッコリ顔も完璧)完璧最高♡でした。
ストーリーはあってないようなもので、とにかく非常におバカな展開の連続なのですが、その中でも「これぞシティハンター!」という絵面や、リョウと香のぎこちない距離感描写を欲しいところでしっかり与えてくれていて(ラストの銃撃戦は最香のクライマックスシーンでした)ラショーさんのシティハンター愛に感涙!!
嬉しくて胸アツ過ぎて、劇中何度も、本当に泣きました。
レビューサイトで「ラーメン屋でラーメンを頼んだらシティハンターが出てきたくらいの衝撃を受けた作品だった」という文章を見て、ほんまソレな!と。
ガチ世代の人も、シティハンターを知らない人でも軽い気持ちで観て笑える作品なので、年末年始にオススメします。
あと、私はあえて吹き替え版で観ました。
冒頭に出てくる市長さんの名前と声に、まずテンションがぶちアガります。
吹き替え版で観てよかった。
アイ・フィール・プリティ
アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング (字幕版)
- 発売日: 2019/05/08
- メディア: Prime Video
っていうハッピー映画。
ルックスは一切変わってないのに(←これが良い)気持ちの持ちようでどこまででも周囲の人にいい影響を与えられるって、すごくない?
想定内の範囲でストーリーが進んでいくんだけれど、何も考えずにポジティブになりたい時にニコニコ観れる映画でよかった。
怪怪怪怪物!
普段よく読ませていただいているブログ『今日観た映画の感想』で紹介されていて、興味が沸き観てみました。学校でいじめに遭っている少年が、やらなければやられる理論で、自分よりも弱い立場にある「怪物」をいじめる側に回り…正直、胸糞映画です。
でもラストに見せる「決断」に観ていた私も拳を突き上げました。
台湾映画って普段そんなに観る機会がなかったので、こんなエネルギッシュでトガった作品もあるのか! ということを知れて、観てよかったです。
あと主題歌もよかった!
パンズ・ラビリンス
たまたま『パンズ・ラビリンス 異色のファンタジー映画の舞台裏』を読む機会があって、また観たくなってレンタル。
本の冒頭にあった言葉が印象的でした。
「迷宮は、人が道を見失うためにつくられたのではなく、進むべき道を見つけるためにつくられたのである」
当時、主人公の少女を子どもが演じることについて議論も出たくらい残酷なストーリーなんです。
でも、残酷な現実があるからこそ、美しい世界があるんだなぁとつくづく思わせられてしまうこともあります。
私は、残酷で美しいこの映画がとても好きです。
何回観てもそう思える映画だと、改めて感じられたのがよかったです。
ギレルモ・デル・トロのパンズ・ラビリンス 異色のファンタジー映画の舞台裏
- 作者:マーク・コッタ・バズ
- 出版社/メーカー: DU BOOKS
- 発売日: 2018/03/23
- メディア: 単行本
ダンサー・イン・ザ・ダーク
この年末は、話題になっていてタイトルは知っていたけれど観たことがなかった映画も観ていきたい、と何本か観ていた中での1本。「二度と観たくない」というレビューがあるかと思えば、最近のシネマンションで加藤諒くんが大好きな映画と紹介していたので観てみました。
ミュージカル映画だと思って観たのに、ドキュメンタリーなの? って思うような進行の画面。
中盤くらいにミュージカルシーンが出てきたあたりからめっちゃ引き込まれてその世界観に感動~~~した一方で、その後セルマに降りかかるあらゆる出来事がひどい、辛い、救いが無い、で先ほど挙げた『パンズ・ラビリンス』みたいに現実の残酷さをじりじりと感じるストーリーでした。
途中でダンスや歌が入る分、「これはお話なんだ」って思わせられちゃうんですが最後はダンスも曲も無くなって、セルマの声が響くだけに。
そして訪れる突然の終わり。
でも、歌とか画面の色遣いとかが素敵で、嫌いな映画ではなかったです。
むしろ好きなタイプ。
キャラメル
通っている脱毛サロンのお姉さんに教えてもらったレバノン映画。レバノンで作られた映画って観たことあります?
映画って、これまで知らなかった場所でも、そこの空気感とか人々の雰囲気、生活、文化を見て聴いて感じられるのがよいなぁと思います。
タイトルの「キャラメル」は脱毛に使う道具としてのキャラメルです。
砂糖を煮詰めてペースト状になったものを伸ばして皮膚に貼りつけ・・・ベリっと剥がします。
映画では脱毛、散髪、髭剃り・・・いろんな“毛”にまつわるエピソードが描かれています。
“毛”って、やっぱり何がしかの“気”が溜まるものだと思うんです。
それを自分の身体から切り離すというのはデトックスというか、気持ちを入れ替えるには良いイベント。
これからも気分を変えたい時にはブラジリアンワックスサロンへ行こうと思います。
あ、映画はめっちゃスタイリッシュ、おしゃれで、何か気分を変えたい時にぴったりです。
氷海の伝説
世界初、イヌイットによるイヌイット語の映画です。172分という大長編ですが、イヌイットに何百年も昔から伝わる物語を8人の長老たちに取材をして作られたというし、撮影当時でさえ「昔の文化」になっていたかれらの生活様式が再現された映像はとても価値のあるものだと思います。
実際、現在のイヌイットの生活を検索すると、私たちが教科書で習った光景とは異なる写真を見ることになります。
自分の知らない世界の断片を観ることができてよかった。
惚れた女を取り合う男同士の決闘方法がお互いの頭部を全力で殴ることとか、劇中死亡する村長の死因が「えっ、それ、コント…?」みたいな展開だったり、驚きポイントもあり。
EXIT
韓国で今年の7月に公開された映画が半年足らずで日本公開って嬉しいですね!
(通常1年くらいは待たされますものね)
映画の公式サイトでは「新感染の次に観るべきサバイバル・パニック映画」と大きく書かれていますが、そこまで気負わず軽い気持ちで観に行って欲しいです。
大学を卒業しても就職できなくてうだつの上がらない生活をしている主人公ヨンナムたちが見舞われる災害は「市内に毒ガス充満」!
とにかく高いところに避難しないと死ぬ! っていう状況。
今、韓国語のレッスンを受けている先生のお子さんはこの映画を観て相当怖がり、1週間、毎晩泣いていたそうです。かわいい。
ヨンナムはまず家族を助け、街の人たちを助け、その度に自分はどんどん窮地に陥っていってしまう。
泣いて叫んで、とにかく走りまくってビルの頂上をめざすヨンナムとヒロインの姿を応援していたら、ゲーム実況を観ているような気分になってきたのも面白かったですね。
最後に二人それぞれ、そして二人の、未来が感じられるエンディングにとても明るい気持ちになったので、観てよかった。
こちらも主題歌がとてもよくて「よし、がんばろ」という時に聴きたくなります。
殺人の追憶
9月にこの映画のモチーフになった事件の犯人のDNA鑑定が一致した」というニュースを見て俄然興味が沸いて観たのでした。劇中使用された実際のモンタージュ画像をなにかの拍子に思い出してしまうと、めちゃくちゃぞわっとくるようになってしまいちょっと困ったりました。
犯人ももしかしたらこの映画を観ていたのかもしれない。だとしたら犯人は何を感じ、それからどう生きていったのか・・・そんな事も考えました。
映画には“力”があると感じられて、観てよかったなぁと思います。
日本では来年公開のポン・ジュノ監督の新作『寄生虫』、めちゃくちゃ楽しみです。
オアシス
ひき逃げ事故を起こし、刑務所から出たばかりの青年ジョンドゥ。脳性まひの女性コンジュ。
主人公たちが生きている世界って普段、私たちが目を背けがちな世界だと思うんですよね。
でも、中盤以降にやべぇのは彼らの家族の方じゃんっていうことがわかってきて、さらに、「コンジュ姫から観た世界」が観客側に提示された時の衝撃といったら・・・。
こんなに強く、ひたむきで、ロマンティックで切ない物語を知ることができてよかった。
国家が破産する日
経済が右肩上がりの成長を遂げ、好景気が続くと信じて疑わなかった1997年。
加速度的に下落し始め、国家破産のタイムリミットは1週間。
韓国銀行の通貨政策チーム長ハン。
危機の兆候を独自にキャッチした金融コンサルタントのユン。
何も知らない町工場の経営者ガプス。
それぞれの視点でストーリーが進みます。
kokka-hasan.com
韓国って、実際の事件を題材にした作品がかなり多いのだけどそれを「物語」にし過ぎず相当リアル路線で見せてくるからすごい。
邦画でいうなら『新聞記者』系の作品でした。
内容としては「大体わかった!」レベルではあったんだけど、日本も何も知ろうとしない人間から危機にさらされていくんだろうなぁ。
もっと社会全体に目を向けなあかんぞ、という危機感を持てたので観てよかったです。
フィッシュマンの涙
突然変異が起こり半魚人になってしまった男性はやがて国民のアイドル、崇拝対象にもなり、やがて批判され、消えていった・・・そんな変遷を淡々と描いていて人間って勝手だよなぁと思わされました。でも、ラストでわかるフィッシュマンの本当の気持ちに「おおお!」と光を感じられたんです。
今、韓国では「ペンス」っていうジャイアントペンギンのキャラクターが人気になっていて、いろんな著名人・俳優さんたちとコラボ動画をアップしています。
ペンスもいつかは人知れず消えてしまうのかなぁ、なんてことをうっすら思いながら私は毎日YouTubeチャンネルで新着動画を視聴していますが、フィッシュマンのことを思うとそれもまた彼の選んだ人生なんだと思えるので私は私で今はただペンスを愛でる毎日を送ることにします。
(購入代行業者に来年のカレンダーの注文もしてしまった)
かぐや姫の物語
この記事を読んで、高畑監督が「(かぐや姫の物語は)こういう映画だったんですね」とつぶやいたというエピソードに俄然興味を惹かれて観なおしました。www.e-aidem.com
当時、劇場で観た私はぼちぼち婚活なんかをしていたこともあり、なんというか「女」を描いた話だなぁと感じて映画館で涙が止まりませんでした。
観なおしてみて、やっぱり、世間からの女性としての幸せみたいなものを随所で諭されて、その度に疑問を感じ、悲しみ、怒り、絶望する姫の姿が印象的で。(そのほかにも翁たちの愛情や自然描写とかもろもろ、優し過ぎて泣けた部分も多々あり)
でも、周囲の人たちは悪気はない。
姫も姫で、そんな世界だけれど歓び、笑い、愛おしさを感じて生きています。
感情豊かな地球で生きていきたい、と思いながらもやがて有無を言わせず平安な天上世界に連れ戻される・・・残酷な「罰」です。
全ての記憶が無いのに“何かの記憶”を思い出し涙を頬に伝わせるかぐや姫は「現代に生きるひとりの女性」として描かれています。
姫を月世界の人々が迎えに来るシーンはセンスの塊でしたねー。
今年はフェミニズムK文学『82年生まれ、キム・ジヨン』が話題になりました。
キム・ジヨンに共感された人には、かぐや姫も観てほしいなぁと思ったのでした。
- 作者:チョ・ナムジュ
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2018/12/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
このほか、
今年の役所広司映画『オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁 』とか、
「オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁」オリジナル・サウンドトラック
- アーティスト:川井憲次
- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 2019/11/13
- メディア: CD
冬の劇場版仮面ライダー『令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』とか(Radiotalkでおしゃべりしました)、
「あ~なるほどこのパターンね」から始まるも最後まで「どこがいけなかったの? 次こそはいけるよね?」が続く『ハッピー・デス・デイ』とか、
ちゃらいイ・ジョンジェだけでなく、韓国の菅田 将暉(と私が勝手に思っている)パク・ジョンミン共にいいキャラクターで、謎解きターンはドキハラ!だったNetflixオリジナル映画『サバハ』とか、
ちょっと古く見える映像が逆に不気味さを増す、韓国三大美少女ホラーのひとつ『箪笥』とか、
ダンディ&セクスィーなハ・ジョンウの魅力爆発だった『暗殺』とか、
カン・ドンウォンの美しさが罪だった『群盗』
昨夜は韓国人ペンパルさんに教えてもらったオススメ映画のうちの1本『群盗(군도: 민란의 시대)』`を観てたんですけど、カン・ドンウォンの色悪ぶりに度肝を抜かれましたわ😱
— 🍓だい🍓 (@GoodyStudy) 2019年11月2日
美しさは~罪~🎶
今日は画像漁りしてたら小一時間過ごしました💦#韓国映画#カンドンウォン pic.twitter.com/uPo39Iw2Gz
など、他にもたくさんあるのですが、今年大きく印象に残った映画はこんな感じでした。
来年もいろんな映画を観ていきたいと思います。
映画の感想は普段こちらで書いています。
filmarks.com