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猿翁アーカイブにみる三代目市川猿之助の世界を観覧してきました。

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「猿翁アーカイブにみる三代目市川猿之助の世界」から帰宅し、胸がいっぱいのまま文章を打ち始めました無一です、こんばんは。



「猿翁アーカイブにみる三代目市川猿之助の世界」とは・・・

京都造形芸術大学と縁ある二代目市川猿翁さんの功績をみんなで振り返ろうぜ! というイベントです。
(詳細はこちらのサイト~猿翁アーカイブにみる三代目市川猿之助の世界 – 京都芸術劇場 春秋座 studio21~をご参照ください)
と言っても、猿翁さんはまだ存命ですから!!!
猿翁(三代目猿之助)さんをご存知ない方にはここ強調させていただきますね!
生前からこんなイベントされたり、通常ならされない興業名に自分の名前が冠されるということがされたり、ああやっぱり猿翁さんレジェンド・・・!


で、このイベントって無料だったんですね。
会場となる劇場・春秋座の友の会会員は先行でチケット申込み期間が設けられていたんですか春秋座のキャパって最大876席なんですよ。
イベントは今日限り。
全国の澤瀉屋一門ファンが「行きたい~~~!」となるこのイベント、当然抽選となりました。
一旦、友の会先行で落選。
でも、三代目あっての澤瀉屋ファンの私はどうしても行きたかった。
ダメ元で一般申込みをしたら・・・当選はがきを手元に引き寄せることができました。
まさかの1階2列目! ぎゃー!!(感涙)


という感じでうっきっきーしながら春秋座に行ってまいりました。
以下、勝手に私の思い出も交えながらの記録日記です。



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あ、造形大ですが新しいオシャカフェができています。
来月の巡業公演時には混みそうだなぁ。
今のうちに一度行っておきたいな。
■「カフェ・ヴェルディ」の京都造形芸術大学店 | 関谷江里の京都暮らし(時々パリ)



入場し席に辿り着くと、自分の席に黒いビニルバッグが置いてある。
もしかして隣の方が置かれているのかな? と思ってお聞きしたら「私のじゃないよ」というお返事。
そのさらにお隣の方が「席にはパンフレットとかが入ったこんな白い袋は置かれてたよ」と教えてくれました。
白い袋は劇場のロゴ入りでなるほどパンフなどが入っているとひと目で理解できるものでした。
でも、私の席に置かれているのは黒い袋。
誰かが席を勘違いして置いて行った物?
とりあえず、係員さんに聞いてみたら「本日の記念品です」というお答え。
え、だって周りの人と袋ちゃうやん!
うちだけ違う袋やったらびっくりするやん!


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パンフレットと一緒に入っていた案内文書。
いただける冊子は来場者それぞれ異なり、私はたまたま分厚くて重~い写真集だったのでした。
重量物だったのでちょっと丈夫な袋にしてくださったようです。
席番だけでなく記念品までラッキー!!


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忠信の押し隈。

写真集を開いたらメリメリメリ・・・という音。
年代物なので大切に保管します!
こんな写真集もいただけるとか、なんというイベントや!



14:00となり、司会進行の市川笑三郎さんの登場。
メガネでスーツな笑三郎さん。
ネクタイの色は無論ライトグリーンやで。
おっとりした丁寧な口調、大好きです。


その後、14:45まで市川右近さんと京都造形芸術大学 ・徳山豊理事長の対談「三代目猿之助と春秋座」。
右近さんは「最近、目がイカれてきたんで」とメガネをかけての登場。
メガネにスーツにしゅっとしたお顔と体型・・・WORLD ORDERかよ~~~♡
(笑三郎さんもメガネスーツでとっても素敵でしたよ。でも、立役さんの感じとはまた違いますから)
すぐにメガネを外されてしまいちょっと(否、かなり)残念でした。
右近さんは大阪出身なので「今日は大阪弁でやらせていただきます」と関西言葉でお話くださいました。


この対談では主に在学生対象の夏休みに開講していた歌舞伎の短期集中講義についてのお話。
当時は演劇の学科もなく、
「絵を描いている学生に何故、歌舞伎を教えるのか?」
猿翁さんも一門の方も疑問に思われたそうですが、当時の徳山詳直理事長から言われたのが江戸時代米沢藩の儒学者・細井平洲の言葉。


『泣き申さず候ては 化し申さず候』(「泣く気持ちがなくては、感動して泣く人でなければ その人の感覚は成長しない」)


芸術を志す者はまず自分がものごとに感動しなければならない。
歌舞伎を教えることを通して感動する心を伝えるのだという目的があったので、師匠は本番よりも必死だったかもしれない(笑)と右近さん。
当時の講義の映像(猿翁さんと右近さんの連獅子の素踊り)の表情は厳しさと愛情が溢れるものでした。
この講義は一般聴講が可能だったので、私も2回、聴講に通いました。
聴講生のひとりだった私は今でも歌舞伎が好きですよー猿翁さん。

最終日には男子女子関係なく、特に選ばれた子たちによる衣裳・化粧有りの実技発表会があって、あれがとにかく羨ましかったものです。
狐忠信をしていた女子が本当に羨ましかった。
もちろん、発表会に向けて、その子たちは家に帰る間も惜しんで稽古をされていたんですが。
造形大生の環境、ほんと素晴らしすぎる。
その環境も職員さんあってのもの。
講義が始まって間もなくの頃は学生もいまいち身が入らず遅刻者もいて、猿翁さんがいちどかなり厳しく叱られたそう。
翌日は遅刻なんてもってのほか。
当時、携帯電話なんてない時代、職員さんが学生ひとりひとり、宅電にモーニングコールをかけたというエピソードが理事長から出ました。


一方、猿翁さんからは詳直理事長に、感動を伝えるために命がけで演じられる劇場を作ってほしいと要望を出します。
「わかった」のふたつ返事で出来上がったのが今回の会場となった春秋座です。
とは言うものの、企画がたちあがってから猿翁さんの様々なこだわりを実現し杮落としを迎えるまでに10年かかっています。
今では歌舞伎だけでなく、狂言、落語、演劇、ダンス、オペラとジャンルを問わない公演が行われています。
男の絆でできあがった劇場と言われていたのが印象的でした。



14:55~15:50は石川耕士さんによる「三代目猿之助の仕事」。
昭和38年に23歳で猿之助を襲名してから劇界の孤児と言われながも奮闘しお客様のハートを射止めて「集客できる役者」となるまでの足どりを貴重映像を交えてお話くださいました。


流された映像は
・S53.7月 歌舞伎座 黒塚(38歳時)
・S43.3月~4月 国立劇場 義経千本桜の四の切
・S48.5月 大阪新歌舞伎座 加賀見山再岩藤
・S54 御園座 四の切500回記念

黒塚は老女・岩手がひとりで気持ち良く踊る場面。
岩手の気持ちと身体の浮かれ具合と下座音楽の盛り上がりがこの上なくマッチしているのがたまらなかったし、実際、会場からも拍手が聞こえていました。
石川さんも「これは拍手の出る映像」と。
四の切の宙乗りのところは、まだ宙乗りが始まったばかりの時期なので忠信があがる時にスーっといかず、上下にグッグッと小さく揺れていたように見えました。
芸話か雑誌インタビューかは忘れましたが、初めの頃は足の付け根にくるベルトが締まりすぎて失神したこともあったという話をされていたのを覚えています。
対して500回記念時の宙乗りはかなりスムーズにあがっていました。
技術面の進歩あっての宙乗ということがわかると同時に、映像から聴こえる拍手の音、これが熱くて厚かったです。
今の私たちが観る宙乗りとは絶対に違う感覚で観られてましたよね。
うわ~ほんまに飛んどる! みたいな。
今だってすごいわーって観てますけど当時の人たちの驚きとはきっと違う。
こういう時、あ~私もっと昔に生まれていたかったって思います。
岩藤の映像は早替りのところを。 お若い頃はしゅっとされてたから御台梅の方もかわいい~の。 きれいなの。
いえ、50代の頃の女形姿を観て「なにあのキレイなひと! えっ! 猿之助ぇ?」(獨道中五十三驛 / 土手のお六)って落ちた私にとってはいつの猿翁さんでも大好きです!



16:05より四代目猿之助さんの登場。
の前にスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」のダイジェスト映像。
改めていま観ると、猿翁さんのタケルって「男」が感じられるなーって思いました。
四代目だって男性なんですが、もっと生生しい感じが猿翁さんにはある気がします。


映像が終了すると、のっそりと四代目ご登場。
オフのラスベガスで焼けたのか、浅黒い肌にストライプシャツ、ジーンズにスリッパというなんともラフな格好に極め付けは

「本日は無料のイベントにお越しくださいましてありがとうございます」

という天邪鬼な挨拶。
スキ!


「猿之助と言えば」のスーパー歌舞伎について衣裳・音・照明だけでなく稽古の仕方・休演日の取り方すら手さぐりで始まったというお話から始まり、ご自身の襲名披露を経て、古典とスーパー歌舞伎どちらも平坦な顔をしてこなしていた三代目はやっぱりおかしい! 怪優というか、猛勇というか、人間以外の何かだと。
いちファンの私でも「三代目は化物」と思っております。


襲名公演と去年から今年にかけてのスーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」を通じてわかったこと-

これはどうしたらいいんだということが出てきてもすぐにみんなが集まってきて10分後には問題が解決している。
これは、(公演に携わる)みんなが同じ方向を向いているから。
三代目のいちばんの功績は人を育てたこと。


猿翁さんは古典の時代に生きていたから常に新しいものを見ていた。
自分は新しいことが常だったから古いものが新しく見える。


というお話が印象に残りました。


猿翁さんの新しモノ好きの話が猿翁アーカイブへと繋がっていきます。
猿翁さんはご自身の記録映像を当時の最新機器で残されていました。
でも再生機器の進歩はとにかく早い。
今や日本に1台しか残っていない機器もあったりする。
いま(デジタルで)保存しないと永遠に失われるかもしれないけれどその保存にはすごい費用がかかる。
保存された映像は将来一般にも公開されて、もちろん将来の役者の卵がここで勉強をすることになる。
そのために-


と、ここで四代目、「今日、私がここに来たいちばんの理由がこれです!」


四代目)三代目猿之助といえば宙乗りと早替り、四代目猿之助と言えば?

客席)募金~


答えられた方、すごいわ。
たしかに四代目の募金呼びかけ力はハンパない。
博多ワンピースの時は舞台前の募金箱からロビー通って中二階まで行列ができていましたとも。

帰りがけ、出口で募金させていただきましたが募金箱は満杯でお金が飛び出てしまいました。
ねじこみました。
今日は手持ちがほとんどなかったので後日銀行振込もするつもりです。

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(経理課窓口でも受け付けされているそうです。個人用の寄附金申込書がなくてもよいものかどうかわかりませんので、詳細は大学経理課さんに問い合わせるのがよいのでしょうか。寄附金受付ページは大学サイト内にありますが「教育・学生支援寄附金」という名目の申込書しか見つかりませんでした<2016年9月24日)



京都新聞の記事で田口章子教授が「創作過程の記録をこれほど克明に残している歌舞伎俳優はほかにいない。」とおっしゃっています。
「猿之助歌舞伎」創造の記録2万点 京都造形芸大に寄贈 : 京都新聞



猿翁さんはご自分で記録魔と言っているくらいで、以前、後援会でいただいていた年鑑冊子は毎年こんな厚さで芸話、対談、劇評まとめ等々盛りだくさんでした。

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芝居のことだけでなく闘病記録まで掲載されていた年もあったほど。
記録魔・猿翁さんが蓄積されてきた資料なんて、想像するだけでも「ハイ、ぞれ貴重」に違いない。
口伝も大事だけど、伝える人が後継に伝える前にいなくなってしまったらそこで途切れてしまうものがある。
長らく上演が途絶えていた狂言の復活にも尽力されていた猿翁さんの資料が確実に後世に伝わりますように。






以上、私視点でのイベント記録でした。
しかし、同じイベントに参加された方による詳細なレポはTwitterで検索するとたくさんたくさん出てきます!
様々な視点でのレポ、これもまた猿翁アーカイブ。
司会の笑三郎さんも「本日来られなかった方々のために様々な方法で吹聴してください」とおっしゃっていましたよ。


ここからはネットの海で大航海の時間。


bon voyage...



記事を書いているのはこんな人。
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shiba-fu.hatenablog.com
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