好きな人をストーキングしていたら新しい扉が開けた話 ~HUNTER×HUNTER~

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私、この人のこと好きかもしれない・・・というか、好きだ!

好きな人ができた時、その人に近づくためにあなたならどのようなアプローチを考えますか?



①突撃、ラブハート!

②好きな人のことをもっと知るためにリサーチリサーチ

③贅沢は言いません、眺めているだけで満足です


この中で言うと私は、好きな人の好きなものを知ってこっそり追体験をしながら自分の中で好きの気持ちを積み上げていく②のむっつりストーキングタイプです。
具体的に言うと、ブログの過去記事を辿ったり、行きつけだと言われているお店に行ってみたり、面白いと言っている本を読んでみたりですね。
むっつり活動を通して自分の中の新たな扉が開かれる機会もあったりして、人間はやはり人との出会いによって幅が広がっていくものなんだなあと、むしろ好きな人を通じてさまざま学ばせていただいている感が大きくあります。



いきなりこんな日記をアップするのも、まさについ最近この現象を体感したばかりで、私が開いてしまった扉の中身を紹介したいとウズウズしているからに他なりません。
新たな扉を開くきっかけをくれた方が、去年舞台を観てファンになった歌舞伎俳優の坂東巳之助さん。
(ええ、いわゆる芸能人です。なのでストーキングと言っても上記のようなことや舞台を観に遠征するくらいしかできません)
彼が掲載されている書籍を読んでいった中で何度か見かける漫画のタイトル・・・。

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HUNTER X HUNTER 1 (ジャンプ・コミックス)

HUNTER X HUNTER 1 (ジャンプ・コミックス)

そんな流れで既刊32冊をいっきにレンタルして読み始めたものの、どこかひねくれた面がある私。
途中まで「たしかに面白いけど、そこまでどハマりする感はそんなにないなあ」と思いながら読み進めていました。
この『HUNTER×HUNTER』という漫画は、生き別れの父親と出会うため、そして父親を夢中にさせたハンターという職業とはどんなものかを知るために自らもハンターを目指す少年・ゴンとその仲間たちの冒険活劇です。


少年漫画によくある(であろうと私が勝手に思っている)○○編というストーリーの区切りもあって
・ハンター試験編
・ククルーマウンテン編
・天空闘技場編
・ヨークシン編
・グリードアイランド編
・キメラ=アント編
・会長選挙編
だいたいこんな展開で進んでいきます。


ちなみに、ひねくれ者の気持ちを変えたポイントはグリードアイランド編でのドッジボール対決の場面でした(コミックスで言うと17巻。ハマるの遅い!)。
「もっと前にも名シーンはいっぱいあっただろう!」と漫画ファンの皆さんからはツッコミを食らってしまいそうです。
本当に単純なのですが、ゴンと親友・キルア、さらに今まで主人公たちを執拗に追ってきた敵役・ヒソカが、3人それぞれの能力を補い合いこの場面でのラスボスに相対するという、いかにも少年漫画っぽいシーンのたった1コマに心をぎゅっと捕まれてしまいました。
私はどこか1シーンでもググっときたところがあればいっきにハマる傾向のある人間なのでここ以降はもうぐんぐんと『HUNTER×HUNTER』の世界にのめり込み、怒濤のスピードで32巻まで読み進めてしまった感じです。


私が感じた『HUNTER×HUNTER』の面白みはここ

・メインキャラクターがみんな少年なのにどこか闇を抱えている
主人公ゴンは善悪どちらにも振れる可能性のある「まっすぐさ」。(その危うさがキメラ=アント編で発動されます)
ゴンの親友・キルアは家族からの呪縛、ハンター同期のクラピカは自分の種族を根絶やしにされたことによる復讐心を。
特にゴンの場合は、表面上はすごい天真爛漫だけれど(家族全員暗殺者の一家に生まれ英才教育として拷問を受けるような毎日を生きてきたキルアは、19巻で「お前は光だ」とまで言っています)、「この子まだ何か素性を隠しているんじゃないかしら?」といらぬ詮索をしてしまいます。
ゴンのフルネームを知った時に直感的に感じた印象が原因なんですが、これを言ってしまうとこれから読まれる方に変な先入観を植えつけてしまいそうなので割愛します。

・ダークな面が全て描かれる
ストーリーの展開上、容赦なく人が傷つけられたりもする漫画でもあります。
強者が弱者をどんどんと殺戮するシーン(時にはモザイクがかけられることも)。
「殺す」という言葉もたくさん出てきます。
でも、そんなダークな面ほど見てみたいと思ってしまうのが人間の性(さが)。
「これがここで起こっていることだ」と読者に提示し続けるところがドキュメンタリー的で面白い。

・さまざまな手法での場面の見せ方
惨殺シーンに一部モザイクがかけられたりすることも含め、視覚的に印象に残るシーンが随所にあります。
キメラ=アント編で王の宮殿前に集められたとんでもない数の人間の行列を俯瞰して見たシーンは映画『ラストエンペラー』のワンシーンのようで圧巻でした。
また、同じくキメラ=アント編のラストで真っ黒なベタ塗りの中で2人の人物が交わすセリフの吹き出しだけが連なっていくページがあります。見る人によっては手抜きページと捉えられるかもしれませんが私はそのセリフを言っている2人が見ている世界そのものの描写と捉えました。
ネット上で下描きレベルの絵じゃんと評されていた32巻も、私はあれが登場人物が見ていた世界観だったんじゃないかと思っています。
会長選挙編のエピローグはセリフが一切なく、紙面上でコマが走馬灯のように流れていき、映画のエンドロールを見ているような気分になる演出でした。

・設定の細かさとモノローグ中の思考のやりとり
ハンターたちは「念」という特殊能力、簡単に言うとオーラを持って仕事にあたっています。
念自体を強化させて使うのが合ってる、念により他の物質を操作して使う方が合ってる等、使用者によって得意不得意な分野があります。
登場人物たちのバトルではお互いの念がどのタイプかによって対策を立てる必要があり、その見極めが重要になってきます。
ここらへんの頭脳戦がモノローグやセリフで行われるのですが、その情報量が膨大かつ面白い。
上級者になればひとつひとつの念の特性やキャラクターの性格・動向を自分なりにちゃんと理解してバトルを先読みしていくなんていう愉しみも得られるんだろうなあと思うのですが、私はそこまで読み込めてないので素直にひとつひとつの説明を読んで理解していきます。
また、グリードアイランド編は主人公たちがゲームの世界に入って実際にバトルを進めていくシリーズでした。
カードアイテムの設定が非常に詳細だったので、RPG好きな人はきっとすごく知的興奮を味わえたんじゃないかと想像します。

壮大なキメラ=アント編

さて、私が面白いと感じたこれらの要素が全部詰まっていたのがキメラ=アント編です。
コミックス18巻から30巻にまたがり展開されたこの長編エピソードがいちばん好きです。

「キメラ=アント」という謎の生物が、人間を餌に爆発的に繁殖を始めたNGLという鎖国国家へ入ったゴンたち。
キメラ=アントはゴンたちの使う念能力を学習、力をつけ瞬く間に人類にとって危険な存在に成長。
キメラ=アントと、その駆除に向かった人間(ハンター)との奮戦の最中、新たなキメラ=アントの王も産まれ闘いはさらに壮絶なものとなっていく。

というのが簡単なあらすじです。

キメラ=アントと人間。
異種族間に和睦、理解という言葉は芽生えるのか。
どちらかを殲滅させるしか道はないのか。
登場人物たちがこのバトルに入るまでの人生も絡み合い、ストーリーはどんどんと膨らんで行きます。



同種族間でもすれ違い傷つけあうこともある。
異種族だから余計に理性を越えた憎しみが生まれる。
異種族だけど理屈を越えた純粋な感情が芽生えることもある。
正義とは一方で強大な悪意を含有している。
非情なのはどちら?

善と悪の境い目はこの世界において限りなくグレーで危ういと同時に、そこには誰も思い描かなかった大きな光を宿している。

少年漫画的にゴンとキメラ=アント王の直接対決、そして異種族間での理解を経ての決着・・・という展開を淡く期待していましたがそんな安易な方向には進まないのが『HUNTER×HUNTER』。
ビターな余韻を含ませ終焉を迎えたキメラ=アントの王の名はメルエム。
“全てを照らす光”という意味だそうです。
最期に己にとっての光を見つけだしたメルエム。
対照的に、驚異的な成長を遂げ敵を討つも自身の闇に飲み込まれた感のあるゴン。
力の大きさがストーリーを収めてくれるわけではないのです。
安易な答えを提示しないところもまたこの漫画の大きな魅力です。



何を言っているかわからねーと思うがおれもキメラ=アント編の衝撃と切なさと底の深さをうまく表現する言葉が見つからなかったんだ。



以上、ざくっとした作品・私の推しポイント紹介でした。

休載が多いことで有名な当作品ですが、4月18日から連載が再開されていて、6月3日には33巻書籍版・Kindle版が同日発売されます。
これから読まれる方にとっては、32巻までまとめ読みできた後、ちょっと話は前後しますがそのまま今の流れに突入できるベストタイミング!
コンビニで買えるリミックス版(全13巻)も順次発売を開始しています。

HUNTER×HUNTER 01 (SHUEISHA JUMP REMIX)

HUNTER×HUNTER 01 (SHUEISHA JUMP REMIX)


32巻ある中でほぼ半分がキメラ=アント編に費やされていただけに、残されたままの伏線はたくさん。

ゴンの父親・ジンの言葉の通り―「オレたちが知ってるこの世界はとてつもなく大きな世界のほんの一部だ」

むしろこれからが面白い展開になるはずです。



実は再連載スタート時点から、毎週ジャンプを買うようになり、私の人生初の出来事に私自身が驚いています。



以上、「好きな人への興味から新しい世界を垣間見ることができて、ページを繰りながら登場人物たちと一緒に冒険の毎日を過ごせました!」という日記でした。


最後に。

漫画は勇者や賢者でなくても手に入れられ、そして現実にいながらにしてどんな世界へもトリップできる冒険の書です。

最近なにか面白いことないかなあなんてお思いの方に、「それならこんなアイテムがありますぜ」と言っておすすめしたいなって思います!



「まずは、『HUNTER×HUNTER』から」。




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ヒソカ=モロ・・・ゾクゾクするほどの強者と戦うことにエクスタシーを感じる変態。最終的には幻影旅団のクロロ団長とサシで勝負するのを目的にしている一方、第287期ハンター試験でゴンの才能に目をつけ、彼が成長するまで見守っている。


キルア・・・ゴンの親友。暗殺一家・ゾルディック家の出身で、第287期ハンター試験でゴンと知り合う。やりたいことを探すためゴンと共に旅に出る。

クラピカ・・・第287期ハンター試験でゴン達と知り合う。幻影旅団に滅ぼされた少数民族クルタ族の生き残り。種族の仇をとり、幻影旅団に奪われたものを奪還するためハンターとなり機会を伺っている。

レオリオ=パラディナイト・・・第287期ハンター試験でゴン達と知り合った青年。病気で友人を亡くしたことをきっかけに医師を目指すも世の中は金次第という現実も見てきたため様々な金銭的優遇を欲してハンターとなる。会長選挙選では会長に推薦される。立候補演説は彼の人柄が滲み出ていた。

アイザック=ネテロ・・・前・ハンター協会会長。最強のじじい。キメラ=アント編で繰り広げられた技「百式観音」は荘厳。

ネフェルピトー・・・キメラ=アントの王直属護衛軍のひとり。猫型の蟻でネテロ会長をして「アイツ、オレより強くね?」と言わしめるほどの戦闘能力を持つ子なのニャ。高慢ちきで無邪気な残虐性を持つが、王を大事に想う気持ちが健気。

センリツ・・・頭頂部がハゲて出っ歯。性別不詳に見えるが女性。昔、魔王が作曲したという呪いの独奏器楽曲「闇のソナタ」を探すためハンターになる。他人の心音を聴き精神状態を知ることができる。クラピカの抑え役でもある。




ぴーえす
つい先日、2000年にミュージカル版が上演されていたと知りamazonで公演DVDを即注文してしまいました。
また別の扉を開きつつあります。


ぴーえす2
週刊誌に追いついたので、暇があれば考察サイトなどを見て回るようになりました。
最近読んでとても興味深かったのがこちらのブログです。
ameblo.jp




マンガがあるじゃないか (14歳の世渡り術)

マンガがあるじゃないか (14歳の世渡り術)

  • 作者: 蒼井ブルー,宇野常寛,大橋智之,オカリナ(おかずクラブ),荻原規子,奥平邦彦,香山リカ,木皿泉,佐藤克文,佐渡島庸平,サンキュータツオ,春風亭一之輔,辛酸なめ子,高野秀行,中条省平,永江朗,長尾謙一郎,中野京子,西智子,坂東巳之助,細谷佳正,水島裕,光浦靖子,みなもと太郎,宮田俊哉(Kis-My-Ft2),ヤマザキマリ,飲茶,吉川浩満,ヨシダナギ
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2016/01/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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音楽と人 2016年 04 月号 [雑誌]

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