- 作者: 蛭子能収
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2014/08/18
- メディア: 新書
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蛭子能収さんのひとりぼっちを笑うなを読みました。
蛭子さん、最近またテレビでよく見かけますよね。
といっても基本テレビない生活なので昼休憩中に会社でヒルナンデスでノーリアクションズを見るくらいなんですが「相変わらずだなぁ~蛭子さん」と思うわけです。
何が相変わらずと感じたのか―私がテレビでよく見ていたのは「SHOW by ショーバイ!!」「スーパージョッキー」あたりで、その後はバラエティ番組や映画なんかでちょこちょこですが、へらへら笑ってちょっとピントのずれた発言をするちょっと変なおじさん。
相変わらず「ちょっと変なおじさん枠での蛭子さん」なんですね。
周囲から求められてもいる立ち位置でもあるけれど、本人もそれは自覚しているし、だからと言ってテレビ用にキャラを作っているわけではない。
そんな蛭子さんが真面目に人生を語る本です。
第一章「群れず」に生きる
第二章「自己主張」はしない
第三章 すべては自由であるために
第四章「孤独」と「死」について
蛭子さんはひとり遊びが好きだった幼少期そのままに今でも基本ひとりでいることが好き。
それは自分自身の領域だけでなく他人の領域も大切に思うから。
かと言って孤独を貫くのではなく、他人とのコミュニケーションを遮断することは否定する。
四章にわたって細かく丁寧に蛭子さんの視点を語ってくれます。
蛭子さんの口調そのままの文章なのがまた安心するのです。
本書で私、蛭子さんが既婚者だということを知りました。
失礼ながら勝手に独身のイメージを持っていました。
本書の中では特に亡くなられた奥さんのこと、今の奥さんのことについて書かれたところが印象に残っています。
ひとりでいるのは大好きだし、ひとりですごす楽しみ方もたくさん知っていた。だけど、いわゆる“一匹狼”みたいなタイプではない。自分がどれだけ精神的に妻に依存していたかを知りました。子どもはふたりいたけれど、子どもたちとのつき合いなんて、たかが知れています。妻は30年も一緒にいたわけですからね。僕にとっては大事な存在だったし、彼女を失ったことは、とても深い悲しみでした。亡くなってからそれに気づくなんて、本当に馬鹿みたいな話ですけどね。それが僕という生き物なのかもしれません。
でも、それからしばらくして、「このままでは、本当に俺はダメかもしれない」って強く思うようになった。これまで妻思いのようなことを書いておきながら、ずいぶんと矛盾していると思われるかもしれないけれど、自分と妻との生活は、いい結婚生活だったと言い切る自信があるからこそ、もう一度結婚したい。そんなふうに思うようになったんですね。「僕が幸せになるためには、一緒に暮らして、泣いたり、笑ったりしてくれる女性が必要なのだ」と。
連れ合いを亡くしてすぐに結婚したいと願うなんて、どうかしていると思われるかもしれない。きっと世間の人々も冷たい眼差しで見ることでしょうね。でも、生きている者が、自分の幸せを求めてなにが悪いのか。その考えには、死んだ妻もきっと同意してくれると思ったんですよね。そう考えるようになってからは、まるで別人のようにアクティブな人間になっていったんです。
私は死別・離婚の経験はないし、それどころか未婚だけどこの思いには同意。
そもそも人としての幸せってこういう感情や体験の共有に根本があると思っています。
さらに最終章、ラストの言葉が胸に響きます。
『ひとりぼっちを笑うな』―この本には、そんなタイトルをつけてみました。でも、僕が一番言いたいのは、ひとりぼっちを笑わないことではないかもしれない。もちろん、いつもポツンとひとりでいる、僕も含めた内向的な人たちを笑うことは、とても愚かなこと。ただ、それ以上に大事なことがあると思うんです。
それは、ひとりぼっちでいることをけっして笑うことなく、そんな自分を微笑みながらいつでも受け止めてくれる人を見つけること。
僕がこれまでの人生をとおして一番みなさんに伝えたいのは、その大切さなのかもしれません。
結婚という視点にとらわれることなく言うならば、“受け止めてくれる”人は必ずしも異性である必要はなくて、同性でもいいのです。
完璧な一個の人間になるための“片割れ”を探す旅をするのが人生なのです。
では、見つけられなかった人は人生の落伍者になってしまうのか。
諦めずに、少しの希望でも持ち続ける限りそんなはずはないとおもってry)
蛭子さんの人生のポリシーに唸った本でした。
そういえば蛭子さん、オサレなサイトもありました!
そしてブログも!チェック・・・。
www.songenshi-kyokai.com
あと、文中に出てきたこの教会。
愛する人たちへの迷惑を考えてしまうあまり、いよいよ助かる見込みがなくなれば尊厳死も考えているという蛭子さん。
こちらもチェック・・・。
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