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『百日紅~Miss HOKUSAI~』―「最果てが見たい」という言葉がなんてぴったりなんだろう。

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先週末、京都シネマで『百日紅~Miss HOKUSAI~』を見てきました。
去年、ネットで杉浦日向子さん原作の『百日紅』がアニメ化!というニュースを知ってから楽しみにしていた映画でした。sarusuberi-movie.com
朝10時からの上映スケジュールでしたがCOCON KARASUMA3階は長蛇の列。
日向子さんが江戸に還ってからもう10年経つんですね。
みんな、作品も好きだけど日向子さんのお人柄が好きで憧れで、それで朝からここに集まっているんだろうなぁなんて思いながらチケットを交換。

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上映前のメイキング映像で映し出された日向子さんの写真。
「日向子さんといえば着物姿でふくふく笑顔」というイメージが強いというか、当たり前になっていたので剥き出しの華奢な手脚と、犬越しにこちらを見据える強い眼差しにハッとしてしまいました。
すごくオンナを感じさせる写真で、好きです。
そして、あえてメイキングや公式サイトでこの写真を使われたのがいいなぁと思いました。

映画はオムニバス形式の原作を丁寧に動かしてくれていて、何より絵が人物の表情・空気感をちゃんと残してくれていてよかったです。
橋を颯爽と渡っていてくお栄の後からロックな曲がばーんと流れるオープニングがとっても小気味よかった。
オンナだけど筆一本でやっていく、お栄の心意気と戸惑いと達観、そんなものが詰まってた。

あと、お栄の妹・お猶がとっても「生きて」ました。
お猶だけじゃなく、北斎のじいさんもダメ善も国直も、花魁も、道行く魚売りのおっちゃんも、みんな江戸というまちでそれぞれに生きていて雑然としたパワーが漲っていて、その中で人は死んでまた生きていくというのが現代まで続いているんですよねーとエンドロールを見ながら思ったのでした。

エンドロールではお栄の絵が流れました。
お栄の絵を初めて見たのは去年のボストン美術館展
光と影、それから色彩に惹かれます。matome.naver.jp
エンドロール曲は椎名林檎さんの『最果てが見たい』。
幼い頃から父・北斎の背中を追って絵師になり、いちどは嫁いだけれど出戻り父の元でまた筆をとる。
自分よりも先に逝く人々を見送りながらも描き続ける。
彼女が何を想いながら描いたかはわからないけれど、それでも彼女が描いた絵を今、私たちが見ている。
晩年は仏門に帰依したとも消息不明になったとも言われるお栄。
最期まで自分の筆の向こう、最果てに見えてくるものを求め続けていたに違いない。

失うもの等は初めから無い

生命を越えて
本当の未踏の地へ
涙涸らした心が映す果てを
確かめたい

~椎名林檎『最果てが見たい』~

百日紅 (上) (杉浦日向子全集 (第3巻))

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ユリイカ2008年10月臨時増刊号 総特集=杉浦日向子

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お栄についてこんな本も。

カナダ人女性が描いた応為(お栄)です!
歴史フィクションという位置づけで、ラストはいっきにミステリー感覚で締めてるのがいいです。
あと、応為のサバサバ淡々とした性格そのまんまで語られるので濡れ場でさえも「私は股を開いた」という調子で、それもまた江戸のあっけらかんとした性をうまいこと表現してるなぁと感じたものでした。

北斎と応為 上

北斎と応為 上

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