今年は、自分としてはいつもよりも漫画を読んだ年だったと思うので年末となった今、特に印象に残ったものを「推しマン10冊と、読んだ漫画一覧」という形式で ご紹介したいと思います。
2016年の推しマン(私が読んだ年が2016年という意味で)
①乱と灰色の世界 /入江亜紀
人間と魔法使いが暮す特別なまち、灰町。そしてそこに住む10歳の少女、漆間乱はお気に入りのおとな用スニーカーを履くとオトナに変身できる小さな魔女。お父さんは魔法使いの長、お母さんもものすごい魔力を持つ大魔女、狼男のおにいちゃん-乱自身はメルモちゃんみたいな魔法を使うし、ライバル魔女仁央ちゃん、魔法の先生たま緒さんも出てきてハートフルどたばたコメディタッチのお話だと思っていたら、オトナ乱がちょっとアブない大人の男性・凰太郎と出会い恋心を抱くことによって物語と乱は大きく動いていきます。
町全体を巻き込んだ大きな戦いを経て後、乱の表情がものすごく変わっちゃうの。この変化がすごい。あ~~~これが女の子なんだなぁ…って感じ。
この漫画はひとことで言ってしまうと乱の成長物語なんだけど、あまりに楽しくてあまりに優しくて、そしてあまりに残酷なことも待ち受けている。
でも最後に残るのは乱が駆け抜けてきた世界への愛おしさ。
2015年に完結したという乱と灰色の町の物語。もっと早くに出会いたかった。
(全員好きなんだけど)特に好きなキャラは、乱のクラスメイトで元・いじめっこのヒビくん。
乱にとって初めての友だちとなってから以降、時には乱をぶん殴り時には乱の手を引っ張りながらずっと傍にいてくれる大切な存在の子なんだけど、私はこの子に対して「乱の傍にいてくれて本当にありがとう」しかないし、ヒビくんのお父さんお母さんヒビをこんなに真っ直ぐな強い男の子に育ててくれてありがとうございますと感謝せずにはいられなかった。こんな感情を漫画のキャラに持ったことなかったよ。
最後のお話の中で重なり合う乱とヒビくんの手-あの1コマを見て「これからも乱をよろしく」と胸がいっぱいになりました。
毎日なんだかうまくいかないよなー自分はあの人みたいにできないし何にもないなー…どうしてだろう、そんな灰色の気持ち、誰もが持ってるんじゃないかな。
だからこのお話は真冬に飲む蜂蜜入りのホットミルクみたいに身体の芯によく沁みこむのだと思うのです。
②HUNTER×HUNTER / 冨樫義博
連載再開されましたね~~~!新刊出ましたね~~~!
休載されましたね ~~~!
2015年になってはじめて読んだHUNTER×HUNTER。
特に32巻までいっき読みした後、ジャンプ本誌でリアルタイムで読んでいた数週間は興奮とスリルに満ち溢れた日々でした。
ジャンプ発売の月曜日があんなに待ち遠しくなるなんて今まで私の人生にはなかった。
いっき読みした頃の感想。
③BLEACH / 久保帯人
好きな俳優さんがロックミュージカルに出演されることになったので予習として軽い気持ちで読み始めたらクッソおされ&かっこいい世界でずぶずぶハマり込み、最終回後の今もBLEACHアプリで毎朝1~2話読むのが日課になっています。死神が主人公ということでちょっと和風テイストなのもいいし、登場人物と彼らの持つ刀、技の名前、キメ台詞が全部かっこいいし、何より主人公・黒崎一護が何をやってもどうなってもかっこいいってのがイイ。
登場人物たちの縦横のつながりがわかるとより面白いです。
今月末には小説版が発売されるので無論予約済み。
BLEACHのない世界にはもう戻られへんな…くらいには思ってる。
④大江戸国芳よしづくし / 崗田屋愉一
『大江戸国芳よしづくし』本日発売の週刊漫画ゴラクより4週集中連載スタートです!!岡田屋鉄蔵先生改め崗田屋愉一先生が描く、美麗な本格時代劇画をご堪能ください。 pic.twitter.com/Ka2qA5DgwA
— 漫画ゴラク編集部員W (@wat_goraku) 2016年10月28日
「売れてない」頃の歌川国芳が主人公。
今年は特に渋谷Bunkamuraでも「くにくに展」が開催され国貞と共に注目を浴びた国芳。
彼と、彼を取り巻く長屋の住人たち、お江戸の風景を描くのは近年『ひらひら国芳一門浮世譚』『口入屋兇次』『無尽』と、骨太な絵とストーリーの時代劇漫画を発表している崗田屋愉一先生。
絵柄的にはマッチョ系。そこがいい。
しっかりと筋肉のついた男たちが画面の中でしっかりと生きています。
漫画ゴラクで短期連載されていた本作の第1部は七代目市川團十郎を、第2部は鼠小僧次郎吉を国芳が描く!
團十郎が花道で見得をきれば画面から芝居小屋の熱気が伝わってくる。
次郎吉の生き様が語られれば画面向こうの人間だって胸を突かれて洟をすすってしまう。
2017年初春、やっと単行本化。
テレビ・映画でも減ってきてしまった時代劇。
時代劇が足りないんだよぉ~と日頃お嘆きの人に是非とも読んでいただきたい1冊です。
⑤この世界の片隅に / こうの史代
映画を見てから漫画を読みました。映画では語られなかったもうひとつの大切なエピソード、漫画だからこその表現方法を知ることができてよかった。
あの時代をほんの少し距離のある場所から記録してある漫画に出会えてよかった。
⑥昭和元禄落語心中 / 雲田はるこ
完結しましたね~~~。時が過ぎて助六が八雲襲名。
襲名という素晴らしい節目を見届けた私たちにもうひとつの真実がほのめかされるというあのラスト。
芸の世界だなぁ。
一貫して、紙面から音が聞こえていた漫画でした。
⑦ごはんのおとも / たな
最近よく目に留まる「ひとつのエピソード内にレシピが紹介されてくる漫画」なんですが、そのエピソードひとつひとつがとっても優しくて泣けて仕方なかった。卵黄の醤油漬けonアボカド、さっそく試しました。
⑧波よ聞いてくれ /沙村広明
「目で聴く漫画」、沙村先生の「人の死なない漫画」です!現在、ネメシスで連載されている『ベアゲルター』も沙村先生のエキスがどぼどぼ注入されてる漫画ですが、こっちもこっちで沙村テイスト満載で、この2本読んでおきゃ“今の沙村先生”を充分味わうことができると思う。
読み終わったら来年の映画の予習で『無限の住人』読み始めたらいいと思う。
LIGさんに寄稿させていただいた記事。
⑨2DK / 竹内佐千子
シェアハウスで暮らしながら若手俳優をおっかける女の子ふたりと彼女たちの周りのちょっとズレた生活。でも、ジャンル問わず何か追っかけ対象をもつ人なら「くっ・・・わかるわ・・・」と同意してしまう事項が山のように出てくるはず。
このままじゃきっといけないょかもしれないけれど、神様あと少しだけ・・・。
老後はこんな生活したい。
いや、40代入ったらしたい。
誰か一緒にしませんか?
⑩さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ / 永田カビ
雨宮まみさん以来のショッキングな書籍だった。うすぼんやり抱えていたモヤモヤをひとつずつ剥がして、解説していってくれる感じ。
親がいちばん大きな枷っていう感覚、あるわ。
カビさんのこれからは続編とも言える『一人交換日記』で読める。読んだ。最新の日記はネットで読める。カビさんからの日記が届く度に「そして、自分は今どう生活している?」と自問する。
そんな流れができています。
読んだ当時の感想。
以下、今年はじめから読んだ漫画を順不同にあげていきます。
ものすごいざっくりしたひとことしか書きませんが「読んでみよ!」って思える漫画と出会うきっかけになれれば幸いです。
[asin:B01JZ70H1K:detail]
絵が好みじゃないっていう理由で読んでない人多そうな漫画。「天才になれなかったすべての人へーー。」のコピー通りなビターなストーリーとのギャップがいいよ。
[asin:B00I2K7OZ4:detail]
HUNTER×HUNTERをいっき読みした時に過去作品もまとめて読んだのです。幽白ってこんなラストだったんだ!と今更ながらに知ることができてよかった。なんじゃこのラブラブ漫画!設定やギミック等とても楽しく読みましたよ。ヘビーな内容だけど長男に救われる。
[asin:B01E1WO0IA:detail]
こんな生活ありなんや!