#私を構成する9演目

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つっちーさんのブログのこの記事を読み、たしかに自分の中で特別な舞台の記憶ってあるしそれはちゃんと残しておきたいなーと思ったので私もやってみました。
tchiiii5296.hatenablog.com

1.スーパー歌舞伎 カグヤ(1996年4月~5月 新橋演舞場)

月の国の帝の姫君であるクシナ(後のカグヤ・笑也)は、月の花園を守るという父の命に背いた罪により、人間界に流罪となる。
人間界に生まれたクシナは、竹取の翁とおうなによって、カグヤと名付けられ育てられ美しい娘へと成長するがカグヤは人の感情というものをまるで持てないでいた。
冷たいカグヤの心を溶かす出会いが―

高校入学記念ということで父が連れて行ってくれました。
4月だったと思います。
市川猿之助(三代目)という名前は小学生の頃には知っていましたが、実際に観に行ったのはこれが初めて。
ほんとにコレ、歌舞伎なの? 台詞は理解できるし、何よりみんなすごいキラキラしてキレイだ!
この時はヒロイン・かぐや姫の笑也さんに一目惚れでした。
あとは月のウサギ役の右近さんに春猿さん。
若くてとってもキレイでかっこいい人もいるんだ! 歌舞伎!
歌舞伎初体験、単純にビジュアルに惹かれていました。
でも、歌舞伎に惹かれる第一歩ってビジュアルなんじゃないかな、それでいいんじゃないかな。

2.獨道中五十三驛(1996年7月 歌舞伎座 夜の部)

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猿之助四十八撰の中で最も人気の高い作品ともいわれる演目。
京都を振り出しにした道中で、次から次へと押し寄せる見せ場の連続。
由留木家に伝わる二つの家宝を巡って、敵味方が追いつ追われつ、東海道五十三次の宿々を舞台に日本各地を東へ西へと駆け巡る!

これはスーパー歌舞伎カグヤを観た数ヶ月後、今度は歌舞伎座でやってる歌舞伎を観てみたい! と父親におねだりして連れて行ってもらったのがこの「ひとりたびごじゅうさんつぎ」。
当時、7月の歌舞伎座と言えば三代目猿之助による大歌舞伎。
出演者をちゃんと調べて行ったのか、それとも父親の都合のついたのがたまたま7月だったのかは忘れてしまいましたが、とにかく早替わりあり、化け猫が出てきたり、宙乗りあり、本水あり、スピード感があって、なんだかわからないけれどめっちゃ勢いが溢れ出てるこの演目を観たおかげですっかり猿之助歌舞伎とおもだか一門の虜になってしまったのは揺るぎようのない事実です。
最初はスーパー歌舞伎の時にファンになった笑也さん、右近さん目当てで歌舞伎座に入ったのに出てくる時にはすっかり三代目すごい三代目かっこいい三代目キレイ! もっと観に行きたい・・・という気持ちになっていました。
(どうしてか大詰の早替わりでの土手のお六でズキュンとやられた)

3.劇団花組芝居 雪之丞変化(1996年9月 水戸芸術館ACM劇場)

三上於菟吉の時代小説をもとにたくさんの映画やお芝居が作られました。
長崎の大店の主人の子・雪太郎は、父親はじめ家族一同を、あらぬ抜け荷の濡れ衣を着せられ処刑される。
放浪の孤児となった雪太郎は旅芸人の一座に拾われ、やがて女形の看板役者・中村雪之丞となって江戸に現れるが、そのもう一つの顔は親の敵を討つべく剣術を磨きあげた復讐の鬼だった。
義賊・闇太郎の助けをうけて、「長崎の敵を江戸で討つ」波乱万丈の物語が繰り広げられる。

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(パンフレット画像は1994年公演時のもの)

芸術館の学芸員さんとお話ししていて「歌舞伎好き」と言ったら「ここは面白いから観ておけ」と言われて素直に観に行ったら、めっちゃ面白くてそれ以降(一時期ブランクはあったものの)ずっと観続けている劇団さん。
何がいいって本式の歌舞伎同様、女優がいないところです。
(この公演の時には元・宝塚花組の幸和希さんが出演されていましたがイレギュラーなこと)
毒々しくも美しい野郎だらけの世界にノックアウトされました。
私は男を観るのがスキっ!!!!
そして若手さんたちも増えてきた今、これまでになかったキャラクターを持った子も飛び込んできたりして公演ごとに瑞々しい息吹を感じられるのもまた楽しいのです。
関西公演、もっとして!!!!

4.劇団鳥獣戯画 雲にのった阿国 (1997年 下北沢本多劇場)

タイトル通り、女歌舞伎の出雲阿国を題材にした「歌舞伎ミュージカル」。

歌舞伎を知った高校生の好奇心はどんどん広がります。
茨城県の高校生、東京に出るだけでもまだひとりでは不安だったのでまたもや父と観に行きました。
反抗期の続いている中、こういうところではやはり親を頼っていました。
当時は歌舞伎の演目を題材にしたミュージカルというものもあるんだなあと、この劇団の雰囲気を単純に楽しんでいただけでしたが、それでも、今でも心に残っているのは阿国の踊りに対する執着心の強さです。

「なんでもするよ、踊っていられるなら」

幼い頃から身体ひとつでのしあがってきた阿国は、それこそ踊る合間に男に身を任せたりもしていました。
阿国が盛り上げどんどんと成長し成功を収めた一座。
一座の若い子が春を売ってまで踊りたくはないと言う。
私がどんな想いでこれまで踊ってきたと思ってんだ! と激高し女の子を打ち据える彼女を見て本当に切なかった。
高校生の時分よりも今になってから、あのシーンを思い出す度に私にはそこまで自分のすべてを賭けて好きだと思えるものはあるだろうか? と自問させられます。

「舞の神様、ありがとう」

ライバルとの舞競べで勝ちをおさめた阿国の胸中にあったのは、踊れることへの感謝の気持ちだけ。
踊りさえあれば幸せ。
二代目にを譲った後の阿国はどこかで野垂れ死んだのかもしれないけれどそれはそれできっと本望だったのではないかと思う。
この演目、去年劇団の40周年記念で上演されたそうです。

主題歌、覚えてるよー!
えーどっ、ええどっ。
江戸はええどっ!

「阿国の踊りは誰にも届かない。手に届きそうで届かない雲のよう」

阿国の踊りだけじゃなく、全ての舞台・ステージは現れては消えの繰り返し。
ただ、誰にも届かないのではない。
届いた、手をつかめたと思った瞬間に消えてしまってその残像を胸に果てしない追いかけっこをしていくようなもの。
芝居好きになったら一生もんだなと漠然と感じた高校生の私はそのままオトナになって、数は少ないなりにまだ小屋へ足を運んでいます。

5.勇魚~イサナ~(1999年10月 京都大学西部講堂)

遠い遠い昔。まだ人が龍を見ることが出来た時代。
海の底には灯台があった。灯台は深海に封印された「死」を見張っていた。

大学入学後の春の新歓シーズン中、いくつかの学生劇団の公演に行った中で「えっ、なにこれ、おもしろい!」と心躍ったのが電視游戲科学舘(デンシユウギカガクカン)という精華大学OBメインの劇団。
和テイストあり、厨二的な時もあり、インパクトのある舞台美術や衣装、カッコいい看板役者さんたち。
私が好きなものがいっぱい詰まっていました。
当時の舞台美術スタッフさんのサイトが残っていたので貼り付けます。
講堂の天井に実物大のクジラの骨を作って吊っちゃったり、当時の小劇場界隈では「デンユウといえばデカモノ」とちょっとした話題の劇団でした。
http://www.geocities.jp/tekiira1221/main/isana.html

ボランティアスタッフ募集のお知らせを見てすぐに連絡をとって以降、約7年間途切れ途切れではあったけれど関わりを持つようになった、その最初の公演が「勇魚」。
西部講堂に泊まったり、その後も劇場で深夜まで作業をしたり、普段は関わり合いを持つことのないだろう人たちと演劇を通じて何故か一緒にいる、そんな雰囲気が大好きでした。
もう解散してだいぶ経ちますが、関わりを持ってから「皆さんのためにたくさんお手伝いしたい!」蜜月期、団員さんに「そういえば今回の公演、あまり本番観に入ってないよね?」と指摘されたことにより心離れに気づいてしまった瞬間の衝撃、解散に向かっていく中で次第に距離を取っていた時のなんともいえない感覚。
そういう、芝居を好きになったから味わったちょっと苦い思い出と共にある演目です。


6.二代目市川猿翁、四代目市川猿之助、九代目市川中車襲名披露公演(2012年6月・7月 新橋演舞場)

動画は松竹座の時のものですが襲名関連はお祝い事として新橋、大阪、巡業、博多とできる限りで追いかけました。
新橋公演の時はなんというか、もうひたすら緊張して幕が開くのを待っていたように思います。
襲名披露での幕開け、口上の場だけで「ああ、新時代の猿之助がここにいる」と涙が溢れてきてとにかく興奮していたのがつい昨日のように思えます。
名前が継がれていくことをファンとして体感した大切な月日。


7.USJワンピース・プレミアショー

毎年、USJで開催されている夏休みイベント。
ワンピースを読み始めたこと自体ここ数年のことで、読み始めた頃にいちど行って「あ、なんかすごい」、そのあとたぶん1年空いて行って「やっぱ楽しいわ」・・・だったのですが2015年のショーでいっきに心を持っていかれました。
アトラクション的なことは例年通りのクオリティで濡れるーーー! 炎熱いーーー! 人が落下するーーー! ですごい楽しかったんですが、なんといっても去年はルフィとエースとサボ、3人が揃っちゃってテンションマックス。 
さらにはエンディングでチビ時代の3人と、青年になってからの3人が合わせて同じステージに立っているという「この場所でしか会えない」感満載の演出にめちゃくちゃ胸がアツくなりました。
ワンピースって漫画もアニメも映画もアトラクションもグッズも、世界中に溢れているけれど、「ここのワンピースを観たいんだ!」と、普段みんなが騒ぐものにはあえて近づかないひねくれた行動をとる私が心変わりをしたのはすべてプレショのせい。


8.堂本光一 Endless Shock(2016年3月 帝国劇場)

KinKi Kidsの堂本光一が座長・主演を務めるミュージカル作品シリーズ。2000年11月、『MILLENNIUM SHOCK』を帝国劇場にて初演、以後タイトルや演出を変えて毎年同劇場にて上演を重ねている。

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2015年11月に嵐のツアーコンサートに行って以降、ジャニーズのステージに俄然興味が湧いてしまい、勢いでチケットを取って行ってきた公演。
嵐のステージを観たときも、観客のドキドキワクワクを最大限に引き寄せつつ離さない流れに大興奮していたのですがこのShockもまた、まさにショックの連続・・・。
ジャニーズのステージは常にみんなの「観たい」に応える作りになっているのね! また他の人のステージも観てみたい! という連鎖が生まれるものでした。
そして4月にはジャニーズJr.の春休みスペシャルショーを観に行っていた私。
ジャニーズ・・・禁断の扉。


9.スーパー歌舞伎Ⅱワンピース(2015年10月・11月 新橋演舞場 / 2016年3月 大阪松竹座 / 2016年4月 博多座)

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この時代に生まれて良かった・・・!

劇場に足を踏み入れた途端広がる祝祭ムードに浮かれた4か月の航海でした。
澤瀉屋一門だけでなく、いろんなジャンルの方たち総出で作り上げられた、この時代最高のエンターテイメントをリアルタムで体験できた喜び。
だから芝居は面白い!
と、帰り道に何度思ったことか。

そして、今回出演されていた歌舞伎以外の方の舞台も観に行く計画を立てています。
自分の興味の幅もまた広がった公演でした。


2015年の締めに書いたおかしなテンションの日記
shiba-fu.hatenablog.com




なんだかほとんど歌舞伎と、関連ジャンルになってしまいましたがそれ以外にも観には行っているのですよ!
でも、今、思いつく私の中で大切なポジションを占めている公演はこの9つでした。


また、何年か経ってやってみたら面白いだろうなと思います。
そして、皆さんの中で大切な存在となっているステージはどんなものだろう? と興味があるので舞台をよく観に行くよという方、ぜひ教えてください。



こんなのもやってみたことあります。
shiba-fu.hatenablog.com


記事を書いているのはこんな人。
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shiba-fu.hatenablog.com
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