年少年代に岡田あーみんに出会ったかどうか、それが分かれ道だ。

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定期的にこじらせ系とか非モテ系とかモテない系の本を読みたくなります。
こじらせ系を一気に広めた雨宮まみさんも今ではすっかり「こじらせていた時もあったけれどそれをステップに一皮剥いて大人のオンナとして独身をじっくりと生きています」というイキフンを醸し出していて、近影見てなんだかびっくりしたもんね!

今回は能町みね子さんの『くすぶれ!モテない系』です。

能町さんがまえがきで書いている通り、モテない系女子とはいかなるものかを分析・解説していますが、それをどうモテに変えていくかとか発展的な方向には断じて向かわずひたすらにくすぶり続けて終わる本です。
私個人としては、モテない系の例としてイラストが描かれているジャージ・ぱっつん・メガネ女子がまんま数年前の自分で非常にイタかったです。
これで姫カット・赤メガネなら10年前の私になります。
アイターっ!(おデコぺしっ)

最終章で能町さんは「現在40歳前後がモテない系の最高齢。それよりも上の年代になると負け犬的な女性はいるがモテない系は未踏の地。特に結婚しない場合はどんな暮らしになるのか想像がつきません」と言っている。

40歳前後・・・アラフォーの自分にぴったり当てはまるよ・・・。

そうか、私は今、最前線にいるのか!

ならば切り開いてやろうじゃねえかよ未踏の地!

などと思うのも束の間。
やはりその直後にはこのままモテ競争から降りたままでよいのだろうか。いやもうそれこそが私のアイデンティティと、モテない系はただひたすらにくすぶり続けるのです。

くすぶるのはじれったいのでもうちょっと突き抜けたい方にはこちらをおすすめいたします。

モテない系の母は岡田あーみん先生である


さて、この本でもっとも共感したのはこう謳っているページでした。
た、たしかに・・・!
岡田あーみん先生の世界に、夜の蛾のように惹かれてふらふら近寄っていいってしまった自分はそこから脇道にそれていってしまったような気がします。
世間様で人気のものにはとりあえず距離を置いてみる的な・・・。
今でこそワンピースやスラムダンクバガボンドが好きですが、小中学生の頃は絶対ジャンプは買いませんでした。
毎月買っていたのはコロコロコミックでした。
それはさておきあの頃のあーみん先生は、はじける恋心でキラキラしていたりぼんの中で「こんな世界も、存在していいんだよ」と控えめに言ってくれていました。
その一方で当時のコミックスおまけページにおいては自分はりぼんにいててもいいんだろうか的なことをおっしゃっていました。
先生には先生の苦悩があったはずです。
それでも、みんなあーみん先生が大好きだった。
世界は“みんながいいっていう世界”だけで構成されてるわけじゃないってことを感じたあの頃の少女たちは、大人になってもその価値観を根っこに持って生きています。
実際、数年前にはあーみん作品オンリーコスプレイベントなんかも開催されたりもしてましたからね(私はお父さんは心配症の典子コスで参加)。遠い目。

みんなに愛でられる華やかな花でなくてもいい。
草むらにひっそりと咲く真っ白なドクダミの花として、慎ましく生きていこう。

なんとなくぷすぷすとくすぶる音を心の奥に聞きながらページを閉じたのでした。